医学生の平凡な日常 ~Part 1 スケジュール編②~

こんにちは!ラパスです。

 

前回はこちら↓↓↓の記事をお届けしました。

pont.hatenablog.jp

 

 

Part 1後編となる今回は、6年間の医学生生活も後半戦となる4~6年生のスケジュールについてご紹介します!

さっそく見ていきましょう!

 

4年生 ~プロジェクトセメスターは人生最後の夏休み?~

4年生は前半の2ヶ月ほどを3年生同様に過ごしたのち、「プロジェクトセメスター(通称:プロセメ)」という半年ほどの自由選択学習期間に入ります。

3年生の後半ごろ(人によっては2年生の段階)から、学生はプロセメに向けて研究室の見学を行います。

学年内での話し合いの結果、各学生は研究室を必ず1つ選び、それぞれプロセメ期間を過ごすことになります。

 

研究の内容や通う頻度が人によって余りにバリエーションがあるので、一般的なスケジュールをお示しするのはちょっと諦めたいと思います……。

大ざっぱに研究室を分類するなら、臨床系、基礎系、海外となるでしょうか。

 

医科歯科大には大学病院が附属していますが、大学病院で働く医師は(原則的には)大学の職員でもあります。

大学職員として、学生などに教えるのはもちろん、現在の医学では解決できない問題を解き明かすべく、研究者として働く側面も持ち合わせているんです。

臨床系研究室に通う学生は、そのような臨床研究に立ち会うことになりますが、実際のところ大学病院の医師であり研究者である先生方はだいたい忙しいので、学生がどれくらい実際の研究を体験できるかは研究室によってまちまちなようです。

学生によっては空いた時間で研究以外の様々な活動を行えるので、先輩たちからはよく「プロセメは人生最後の夏休みだから……」などと遠い目をして言われたりすることになるんですね(笑)

 

基礎系研究室は、基礎医学の研究を行っている研究室です。

そもそも基礎医学って何?という方も少なくないのでは無いでしょうか。

ここでいう「基礎」とは「簡単な」という意味ではなく、「臨床も含めた医学全般の土台を支える」という意味になります。

新薬にしても新検査法にしても新術式にしても、性質上はじめから人で実験するという訳にはいかないですし、そもそも臨床に応用するにはほとんど何も科学的に解明されていない分野、というのも医学にはたくさんあります。

基礎系研究室に通う学生はそのような基礎研究を体験し、実際に参加することになります。人によっては2年生頃から興味のある研究室に通い、プロセメ期間に向けて準備を続けてきた人もいます。

 

最後に、医科歯科大では海外のいくつかの大学研究室と提携を行っており、3年生の募集時に希望した学生のうち、成績や語学力などの要素をもって選抜された人はこのプロセメ期間に海外留学を行うことができます。

大まかに全体の2割程度が留学し、留学先はイギリス、オーストラリア、アメリカ、チリ、ガーナなど様々です。

こちらも興味のある人は大学が提供する課外語学プログラムなどに何年も前から参加し、プロセメに向けて準備を行ってきた人が多いです。そのぶん海外ではある程度、留学生活をエンジョイすることも可能なようです。

 

このように人それぞれなプロセメ期間を終えたのち、先述した共通試験、およびその後に控えた病院実習に向けて、数ヶ月間の少人数型授業であるプレクリニカルクラークシップ(通称:PCC)と自習を行う毎日を過ごすことになります。

 

5&6年生 ~スチューデントドクターとして~

共通試験に合格した学生には、「スチューデントドクター」の資格が与えられ、晴れて病棟での実習参加が認められます。

試験には大きく分けて2種類あり、CBTと呼ばれる試験で知識を問われ、OSCEと呼ばれる試験で技術および態度を問われることになっています。

大学からも白衣を与えられ、学生は法律のもとに実習の範囲内で医行為を行うことができるようになります(報酬を得て診療を行うわけではありません)。

普通の大学生ならもう働いている学年ということで、流石にもうただの大学生気分からは少しずつ脱していかないといけないんですね。

 

大まかなスケジュールはこちら!

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全体的に朝が早くなりましたが、2&3年生よりは余裕があるようにも見えますね。

 

学生は週や月などの決まった期間ごとに、循環器、呼吸器、消化器、……などの各診療科を廻ることになります。

スケジュールも診療科によってかなりまちまちで、一日中見学と実習をする日もあれば、朝早くのカンファレンス(症例検討会)に出席したのちは先生の空き時間まで大学内で待機、ということも珍しくないようです。

学生は連絡用のPHSを渡されており、大学内にいる限りはいつでも連絡が取れるようになっています。そのため、空き時間は勉強やカンファレンス等での発表準備、あるいは睡眠に充てている人が多いようです。

 

また、実習先は医科歯科大の附属病院に留まらず、関連する他の市中病院も対象になることがあります。

遠方の場合は寮などが用意されることもあるようで、6年生ともなると平日は東京にいない、ということもあるようです。

 

そんな5&6年生ですが、6年生の末に控えた国家試験を除けばテストに追われる生活とは無縁なので、程よくバイトや部活に精を出している人も少なくありません。

医師は忙しいのが当たり前、という感覚があるので、忙しくても自分の時間はキッチリ確保する習慣があると、就職してからも役に立つのかもしれませんね。

 

一度6年生の先輩に、なぜ研修医になる前にそんなにバイトをする必要があるのか?と訊いてみたところ、卒業旅行でガッツリ海外に行くための資金にしたいからだという答えが帰ってきました……笑

確かに、研修医になってから一人前のエキスパートな医師になるまでの長い期間は、悠長に海外旅行に行ったりするのは難しそうですね。

前もって遊ぶ計画を立てておく、というのは医科歯科大の6年間を過ごしてきた先輩たちに共通するアドバイスなんだと思いました。

 

 

さてさて2回に渡ってお送りしてきた医学生のスケジュール、いかがでしたでしょうか。

ここまで紹介してきたスケジュールは「平凡な日常」であり、個人差はもちろん試験期間や休暇期間では大きく変わることをご承知おきください。

 

今回はここまでとなります。次回はやっぱり避けては通れない~勉強編~となります。お楽しみに!

 

 

 

 

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